最高裁判所第三小法廷 昭和31年(あ)1166号 決定 1958年10月21日
主文
本件上告を棄却する。
理由
被告人の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない(道路交通取締法九条二項は、自動車の「運転免許は自動車運転試験に合格した者に対し運転免許証を交付してこれを行う」と規定しているので、自動車の運転資格は自動車運転試験に合格したのみでは足らず、運転免許は運転免許証の交付があったときに初めてその効力を生ずるのであり、右免許証が現実に交付されない限り運転試験に合格した者であっても運転資格を持たないものと解すべきことは、原判決の説示するとおりであるから、原判決の判断は正当である)。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己 裁判官 石坂修一)